人と人とのつながりを感じるのがやりがい

iawata-5「手に職をつけたい」というだけの動機で看護師を目指した私ですが、就職してから配属された集中治療室で先輩方に刺激を受けて、この仕事を選んだことを誇りに思うようになりました。先輩の中でも、特に尊敬できたのは、知識が豊富で自分の意見を持ち、間違っていることは指摘し、自分が間違ったときは自ら謝るという姿勢の方でした。「いつかはこんな看護師になりたい」と思いながら、無我夢中で仕事を覚えた新人時代でした。

その後、内科病棟に異動になったのですが、内科の病棟は入退院を繰り返す患者さんや、ターミナルの方も多く、人と人とのつながりを感じるのがやりがいでした。特にうれしかったのは「今日は鈴木さんなんだ。嬉しいわ」といって、見せてくださる患者さんの笑顔でした。待っていてくださると思うことが、やりがいにつながりました。

そんな私がこれまで看護をするうえで心がけてきたのは、患者さんやご家族の希望は、個々に異なるということを意識することであり、シチュエーションに合わせた対応や、望まれていることを察知した対応をするということでした。これは、いろんな患者さんと接するなかで、患者さんが私に気づかせてくれたものだと思います。

 

ひとこと添えることを心掛ける

現在勤務しているのは、救命救急センターです。ここは、突然の事故や発症で入院される方ばかりなので、ご本人とご家族は動揺されている場合が多いです。そんな方々に対して、出来るだけ声をかけて安心感を与えられるよう、絶えず、ひとこと添えようと気を付けています。

とはいえ、重症患者さんへの看護は医療処置が多く、安全を守るための確認作業や記録が多いので、おのずと電子カルテに向かう時間が長くなってしまいます。しかし、わざわざコミュニケーションの時間をつくらなくてもコミュニケーションは図れると思うので、1つ何かをするときには必ずひとこと声をかけ、かかわっていこうと考えています、

救命では、患者さんは状態が安定したら病棟に移ってしまうので、回復された姿が見られないのが残念なところです。でも、たまにお手紙をいただいたりすることもあり、そんな時は、その人の大切な命を救えてよかったと嬉しく思います。

 

メンバーが働きやすい環境をつくりたい

iawata-5_2経験を重ねた今の私のモットーは、チームの雰囲気づくりを意識することです。看護はチームで提供するため、ギスギスした雰囲気では患者さんに悪影響を及ぼします。また、チームが協力し合ったり、情報が共有できないことは、いい看護につながりません。だから、雰囲気が良くなるように、スタッフに声をかけていくのが、年を重ねた私の役割だと思っています。

看護師としてどんな風に歩みたいか、今はまだ模索している途中ですが、チームのムードメーカーになり、「やるときはやる!」というメリハリを持って、メンバーが働きやすい環境をつくるのが今の私の目標です。