最大限の注意を払いながら一生懸命に取り組んでいるスタッフたちの姿が誇らしい

看護副師長 舘石美香

今年の4月に副師長になりました。これまでの職場は、神経内科・呼吸器内科でしたが、現在はコロナ病棟で仕事をしております。看護師にとって、コロナ病棟のスタッフは、自身が感染しないこと、そして、他者にうつさないことに対して、相当な注意を払っており、かなりのストレスの中で、看護に取り組んでいることを目の当たりにしました。例えば、防護服を着用した状態で働く、感染リスクが高いので患者さんとコミュニケーションを取るのが難しい、気になるからと病室に伺うことにも細かい配慮が必要といったことがあります。スタッフ同士が密に接する状態を避けながらも、密な情報交換・共有が必要な職場なので、最大限の注意を払いながら一生懸命に取り組んでいる姿に看護師として誇らしい気持ちになりました。私自身は、他病棟から異動したばかりなので、システムに慣れておらず、スタッフに迷惑を掛けているのではないかと思いながらも、全体を見渡して、俯瞰した目で職場を見て、スタッフが少しでも働きやすい環境を作っていきたいと考えています。


「意見を言っても大丈夫」と誰もが思えるような安心して働くことができる職場づくりに貢献したい

私が看護をする上で大切にしたいことは、患者さんの気持ちを中心にした考え方を以て看護に取り組むことです。医療者は医療の専門家なので、患者さんのことを考えているとは言え、ついつい医療者目線で関わってしまうことがあります。患者目線でニーズを捉えた看護をスタッフ全員でやっていきたいと思います。また、倫理観の共有と向上に取り組んでみたいと考えています。倫理観の向上は、看護の質向上につながる大きな要素だと思うので、それぞれのスタッフが倫理についての考えを挙げて、みんなでこの部署が大切にしていくべき倫理観を考えて、作っていきたいと思っています。そのプロセスの中で、自分もこの部署の大切な一員であるということを認識してもらい、また、意見を言うのに躊躇してしまいがちな若いスタッフや言いたいことも言えない遠慮がちなスタッフも「意見を言っても大丈夫」と思えるような安心して働くことができる職場づくりに貢献したいです。まだまだスタッフの想いまで把握できていませんが、観察したり、会話をしたりしながら「言っても大丈夫」を感じてもらえるようにしていきたいです。


スタッフが考えた過程や根拠を大切にして、成功体験を増やすような指導をしていきたい

私がスタッフを育成する上で気に掛けていることは、少なくともスタッフのモチベーションが下がらないようにすることです。例えば、スタッフの意見に対して、いったん受け入れて、否定しないようにしています。もちろん、スタッフの意見がすべて正しいわけではありませんが、むやみに否定はしないようにしています。スタッフが自分の意見に自信がない時は一緒に考えるようにしています。スタッフの考えが少しずれている時も、考えた過程を大切にしてあげながら、他の視点や選択肢を提示して、自分で考えて最適な答えを見出してもらうようにしています。普段、問題なく仕事をしている人のたった一つの意見であるにもかかわらず、そのたった一つを否定してしまうと、否定された人は大きく傷つき、自分自身のすべてを否定されていると勘違いする傾向があることをこれまでの経験から感じています。それまでの良さも発揮できずに、委縮して仕事がうまく回らないようになった人も見てきました。たとえ他に良いアイデアをこちらが持っていたとしても、スタッフ一人ひとりが考えた過程やその根拠を大切にして、スタッフの成功体験を増やすような指導をしていきたいと思っています。