医療に興味を持ったきっかけは、両親のアドバイス
「これからは医療の時代が来る」-中学生の頃、将来の進路について考えているとき、両親からこんな言葉をもらいました。まずはどんな職種があるのか色々調べていくなかで、患者さんにとって一番身近な存在として活躍する、看護師になりたいと思うようになりました。高校卒業後、看護学校に進学しましたが、学内での勉強と実習の両立がとても辛く、憧れだけではとても務まらない、厳しい現実を突きつけられました。今となっては、そのがんばりが現在の自分を支えてくれていると、懐かしく振り返っています。
チーム医療の一員として、役割を確実に果たしたい
2012年4月に新卒で他院の混合外科病棟に入職しましたが、結婚などの理由で半年後に当院の整形外科病棟に再就職しました。そして3年目の夏頃に学生時代から「いつかは挑戦したい」と思っていた手術室に異動が決まりました。初めの数か月間は、各診療科の病態生理や薬の使い方、術式、器材など覚えることが膨大にあり、「本当にやって行けるのかな?」と何度も不安になりました。でも先輩方が丁寧に指導してくださったこともあり、3ヶ月目を過ぎる頃から少しずつ、仕事がおもしろいと感じる瞬間が増えていきました。手術室に配属になってまだ1年半くらいですが、執刀医、麻酔科医、臨床工学技士、業者さんなど、多種職が協力し合って無事に手術を終えた時、大きな達成感とやりがいを感じられるようになりました。最近では手術の進行状況やモニターなどを見て、リスクを予測しながら行動できるようになってきたと思います。これからももっと知識と経験を積んで、緊急時にも落ち着いて対応できるようになりたいです。異動したばかりの頃は、「それまで病棟で学んできたことが無駄になってしまったのではないか?」と、正直落ち込む気持ちもありましたが、病棟看護師さん達と連携していく上で、過去の経験が役立っていることは確かです。学生時代からずっとそうですが、その時悩んだり壁にぶつかったりしても、後々考えてみると、それが成長の糧になったと思えることばかりでした。だから落ち込んだ時ほど「自分が今やるべきことは何か?」と考えることで、気持ちを切りかえていくようにしています。
精神面のケアも出来るオペナースを目指して
手術室の看護師は病棟看護師と違い、日常生活援助を通して患者さんとお話しする機会がない分、意識がある状態で手術を受けられる患者さんやご家族と接する際には、できるだけ安心してもらえるようなコミュニケーションを心掛けています。特に小児科の手術の場合、手術を受ける子どもだけではなく、親御さんも大きな不安を抱かれます。私にも子どもがいるので、看護師としてだけではなく「自分の子どもが手術を受けることになったら、医療者にどんなことを求めるかな?」と想像力を働かせ、効果的な声掛けができるよう工夫しています。将来的にはICUや救急外来など、手術室以外の場所でも働きたい、という目標がありますが、忙しく走り回るなかでも、患者さんやご家族の精神面のケアを大切にできる看護師でいたいと思います。