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「看護師になれたのは良いが、この仕事を続けていくことができるのか」と打ちのめされた1年目

看護師 鵜飼亮太

私は、就職先を探していた時、偶然に見つけたある療養型の病院で看護助手として働くことになりました。その後、看護師になることを勧められ、准看護師を経て看護師になりました。看護助手として働いているうちに、医療の知識を得て、患者さんの役に立ちたい気持ちが芽生えてきたことを思い出します。新人看護師の頃、希望して配属になったにも関わらず、救命救急での看護に悩み続ける毎日でした。知識、技術、判断力・・・どれをとっても自信を持てず、命の境目にいる患者さんに対して責任の大きさを感じながら仕事をしていました。「看護師になれたのは良いが、この仕事を続けていくことができるのか」と現実は打ちのめされた気持ちでした。ただ、新人時代が終わり、後輩たちが入職してきた時には、「しっかりしないといけない」と自覚するようになり、決して自信があるわけではありませんが、悩むことよりも前に進むことを意識するようになりました。患者さんが良くなっていくことに関わる経験が自分を支えてくれていたと思います。


心掛けるべきは、患者さんを一番に考え、どんな忙しくても、今、何をすべきかを考える冷静さ

看護師の仕事は、例えば、患者さんが病院に運ばれてきた時にはかなりの重症であっても、徐々に回復していく過程で、傍にいて看ることができるのが魅力だと思います。何をするのが良いのか、それを自分で考えて介入し、それで患者さんが元気になるとこれほどのやりがいはありません。また、私一人の能力は限られているので、同僚の看護師、医師やコメディカルのスタッフと情報交換をし、患者さんの役に立った時のチームで得た達成感もいつも嬉しい気持ちになる瞬間です。そういう経験を得るためにも、私は、自分のことよりも患者さんのことを一番に考えるということを大事にして看護をしています。自分も人間なので、感情が出ることもありますし、忙しさを理由にしてしまいそうにもなります。しかし、どんな忙しくても、自分の状態を俯瞰して、今、何をすべきかを冷静に考えるように心掛けています。新人の頃は、それが足りておらず悩まされたので、ずっと意識しています。13年目の看護師である私に冷静さがないと、後輩たちも冷静さを失い、結局、患者対応に影響することになるので、本当に大事なことだと思っています。


「ふいに生命危機に陥った人を助けたい」を想い続け、コロナや災害時にも力を発揮したい

昨年10月より、コロナ専用病棟で働いています。普段着ることのない感染防具を着け、接する時間や会話する時間は制限があり、常に感染しない工夫をしながらの看護をすることが日常となりました。最も辛いことはやってあげたいことをやってあげられないことがあるということです。最近は、状態が悪くなっていく人も多くなっています。これまでと違う環境で、しかも、多忙な中でも時間を作って、スタッフみんなで新しい知見を学び、急変対応に工夫をするなどの経験を得て、看護師としての存在価値を改めて考えさせられ、実感できる機会となったと思います。私は、この病院のDMAT(災害派遣医療チーム)の一員です。その役割は、災害が発生した時に、医療支援活動が開始されない急性期のニーズに対して速やかな活動を開始することです。ふいに生命危機に陥った人を助けたい、家族と一緒にいる時間を作ってあげたいという想いがずっとあります。もっと知識や技術を高めて、現在のコロナ専用病棟においても、防災や災害後の医療においても、磐田市民に役立てるようになりたいと思っています。