「鈴木美弥」タグアーカイブ

赤ちゃんと関わり、家族と向き合い、看護の喜びをスタッフと共有

新生児集中治療室(NICU,GCU)

新人の頃、葛藤の連続の中、徐々に看護の喜びが見え始めた

子どもの頃、文集に看護師になりたいと書くほど憧れの職業でした。学生時代の勉強は予想以上にハードでしたが、仲間に恵まれ、みんなで乗り越えることができました。順風満帆に看護師になれましたが、新人の頃は泣いてる日々が続きました。新生児の集中治療室に配属なりましたが、重症の赤ちゃんを担当するプレッシャー、求められる仕事ができない申し訳なさでいっぱいで、家族にも看護師を辞めたいなどと弱音を吐いている時もありました。新生児は会話もできないので、私の中に葛藤がたくさんありました。しかし、プライマリーの患者さんを受け持つようになり、ご家族と密に関わるようになってから、子ども、家族、看護師、他の医療従事者、それぞれが違うということがわかり、自分に求められていることがわかりだし、徐々にやりたい看護が見えてきました。看護の喜びを実感し始めた瞬間でした。

赤ちゃんのために、ご家族とじっくり関わり、向き合うことを大切にしたい

転機は受け持ちの患者の赤ちゃんが亡くなった時でした。ご家族とも関係が良かっただけに余計につらい出来事でした。そのショックにしばらく立ち直ることができませんでした。そんな時、先輩や同期の仲間たちに本当に助けられました。そして、赤ちゃんのご両親とのやり取りのなかで、自分は何もできていなかったという気持ちでいたのに、話をさせて頂いているうちに自信につながるようなことを仰って頂けたことで、私は一つ殻を破れたと思います。ご家族が面会の際に毎回をお声掛けし、きちんとお話をお聴きして、一緒に一生懸命考えてきたことを感謝して下さいました。私は、それから患者さんやご家族とじっくりと関わることにこだわっています。授乳、沐浴、睡眠、痛い処置・・・反応を見ながら、赤ちゃんの気持ちを考えて、声を掛け、刺激を与えたり、落ち着かせたり・・・。そして、ご家族にお子様の様子をしっかり伝え、ご家族の話をじっくりと聞き、向き合い、立場は違うけれど、一緒に考えていくということを大切にしています。

赤ちゃんとの関わりを自ら創り出すことで得る看護の喜びをメンバーに伝えたい

最近副師長になったばかりなので、マネジメントの仕事はこれから学んでいかなければなりませんが、そんな状況の中、今の自分ができることをしっかりとやっていきたいと思っています。例えば、異動してきたスタッフで新生児を担当したことがない人もいます。成人を担当していたのに急に子どもを担当するのに戸惑いがあって当たり前です。私たちの看護によって赤ちゃんやご家族が安心して家に帰ることができるようになるということに仕事の意義を見出し、自分たちの仕事を喜びに変える雰囲気をチームのみんなで感じることができる職場にしたいと思っています。赤ちゃんとのコミュニケーションは確かに難しい・・・それは、何年もこの仕事をしている私も、いまだに感じることです。しかし、そんな赤ちゃんとの関わりを自ら創り出すことで、一緒に働くスタッフとともにもっともっとハイレベルな看護を実現していきたいです。