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普通であれば出会わない人たちの今後の生活のことまで考え、関われるのが看護の仕事の魅力

副看護師長 長谷川瑠璃

私が看護師になったのは子どもの頃に入院した経験をし、看護師の皆さんの姿に憧れを感じたことがその動機になっていると思います。しかし、憧れと現実の間にはかなりのギャップを感じました。特に、看護学生時代は指導してくれる看護師が厳しかったことを覚えています。自分では患者優先でケアをしているつもりですが、指導してくれる看護師から見るとそのレベルに全く達しておらず、その点をよく指摘され、凹みました。しかし、そういう指導があって、患者さんに対して何をすることが大切なのかという視点が養われたと思います。長く看護の仕事をしていて思うのは、自分で選んで付き合う人達ではない人達、例えば、私とはあまりご縁のない仕事や趣味をしている方なども含めて、普通であれば出会うことがない方々と接することができ、しかも、その人たちの今後の生活のことまで考えて、関わることができる仕事であるということです。そのため、そこから得られる学びが多いのは言うまでもなく、患者さんにとって何が良いことなのかを考えて、関わった結果により充実感を感じ取れることが魅力だと思います。


師長とスタッフの橋渡し、そして、スタッフが専門性を高めるための環境づくりが私の役割

現在、私はNICUで副師長をしています。私の役割の中で最も大切にしていることは師長とスタッフの橋渡し的な役割を担うことです。師長はスタッフのことを本当によく考えており、それを私はよくコミュニケーションを取るのでわかるのですが、スタッフに正しく伝わっていないと思うことがあります。意思疎通は職場の雰囲気に影響しますので、とても大切なことと認識しています。また、スタッフの想いもしっかりと理解したいと思っています。私の部署は特別な専門性が求められるのですが、この分野はこれまで経験はありません。仕事に必要な専門的な知識の習得は必要ですが、スタッフが専門性を高めるための環境づくりが役割と認識しています。一人ひとりがどんな看護をして行きたいかをサポートするには、一人ひとりが考えている看護を引き出す必要があります。そのためには、どうやって信頼関係を構築するかが重要です。これは私に心を開いてもらわないとどうにもならないので、たいへん難しいことですが、スタッフの働きを尊重して、やってみたいこと、実現したいことなど一緒に考え、働きがいのある職場にしたいと思っています。スタッフとのコミュニケーションをする上では、リラックスした時間での会話を大切にしていきたいと思います。


自分たちの看護を部外・院外にアピールして、スタッフと共にもっと胸を張って仕事していきたい

専門性が高い看護をしている部署であるのですが、スタッフたちはどうも自信を持てていないのではないかと感じています。看護師にはよくあることですが、ある分野の仕事を長くしていると、その他の領域の仕事をできなくなるのではないかという不安が募ることがあります。そのため、私たちが今関わっている領域で培ったものは特殊なものであり、それは通常の看護とは別物と捉えてしまい、他の分野では通用しないのではないかという気持ちになるのではないかと思っています。私は、これまで現在の部署とは異なる分野で仕事をして来ました。だからこそ、言えるのですが、本当は共通している部分がたくさんあります。ここでのキャリアが他の分野で活かせることがたくさんあることを気づいてもらい、自分たちのやっている看護に自信を持ってもらえるように働きかけることを今後、チャレンジしていきたいと思っています。そのためには、自分達がしている看護や学習していることを部外や院外にもっとアピールしてもいいのではないだろうかと思っています。そのことで、自分たちの価値を感じるだけでなく、他分野の看護師たちがそこから何を学んだかを知ることもできます。スタッフ全員が胸を張って仕事をしていけるように、私は頑張りたいと思います。