葛藤の毎日の新人時代、まず自分で考えることを習慣化し、芽生えた看護師としての自覚

私は高校時代、バレーボールをしていました。ケガをして、病院に行くたびに関わってくれる看護師さんにとても助けられた経験があります。その時に見た看護師さんの優しい姿に憧れて看護師を目指すようになりました。記憶にはなかったのですが、看護学生の時、10歳の頃に将来の夢をとして描いた「20歳の私」という絵を見る機会があり、それが看護師だったことに驚き、潜在的に看護師を目指していたことがわかり感動しました。しかし、現実はそう甘くはありません。新人の頃、覚えなくてはならないことも多く、やるべき仕事をこなすのに精一杯で、患者さんに余裕をもって接することができず、葛藤の毎日でした。患者さんやご家族の意見や指摘に対して病棟スタッフみんなで一生懸命考えて改善しているつもりでしたが、意見や意向が分かり合えず、自信につながらない日々を送っていました。しかし、最初から正解を先輩たちに求めるのではなく、まず自分で考えることを習慣化し、自分の意見を先輩たちに伝えた上で、他にどのような考え方があるのか、意見交換をするようにこころがけました。患者さんを看て、自分でアセスメントをする習慣を身に付けることで、自分は看護師であると自覚するとともに、成長につながったと考えます。
入院生活の中でもできるだけ、自分らしい生活してもらえるように創意工夫をしていきたい
私は、常に患者さんの生活を大事に思い看護をしています。入院生活は普段の生活と比べると違和感があるでしょう。具体的には、できるだけ家で生活していた時と近いリズムで生活してもらいたいと思っています。そこで、家で何をしていたのかを何気なく聞くようにしています。1日の過ごし方や好きなことを、入院生活の中でも、自分らしい生活に近づけるようにと考えています。例えば、畑仕事をしている人、庭で草取りをしている人には、その時間にリハビリをしてもらったり、動く時間を作ります。運動ができない人であっても、座る時間を作り、塗り絵など何か作業をしてもらうようにしています。そして、夜はしっかり睡眠をとってもらい、生活リズムを整えるようにしました。高齢の患者さんも多く、認知症やせん妄を発症することもあるため、生活リズムを整えることは、それらの予防にもなると思い、大切に考えています。最近は、退院支援の勉強に力を入れています。入院生活だけでなく、退院してからもその人らしさを大切にして生活ができるようにするためにどうすればよいかという視点を意識するようになりました。特に、コロナ禍で、家族との面会もままならない状態で、患者・家族がどうしたいのかということについて、お互いの橋渡し役として適切な提案ができるようになりたいと思っています。


これまで先輩たちにして頂いたことと同じように後輩たちに接し、一緒に成長していきたい

看護師になって5年目を迎えましたが、まだ今後どのようなことにチャレンジをしていこうか決めることが出来ていません。今後どのような看護師になっていくのかを考えながら、基本的なことも含めてまだ足りていない知識や技術の習得をする段階にいると思っています。ただ、そうは言っても、後輩たちから見ると5年目の先輩ということになります。自分がこれまで先輩たちにして頂いたことと同じように後輩たちに接していきたいと思っています。後輩たちには、同期の人だけでなく、先輩達に対して積極的にコミュニケーションするようにアドバイスしたいとともに、その点をフォローしていきたいです。先輩に確認・相談することは自分の判断が正しいかどうかを学ぶことができます。また、自分の判断が正しくても、異なる考えや捉え方を知る機会になり、その時の学びはとても大きいと感じています。先輩と言っても看護師だけではなく、リハビリや薬剤師など多職種の先輩たちとも積極的コミュニケーションをしてもらいたいと思います。そして、私自身後輩とのコミュニケーションや指導を苦手としています。この苦手を克服して、後輩たちとともに、私も成長していきたいと思います。