辛い気持ちで仕事をしていた新人時代の私も、やり遂げたという実感に自信をもてるようになった

小学生の頃から医療職に就きたいと思い、文集には看護師になりたいと書いていました。中学生・高校生の頃は薬剤師や検査技師の道も考えましたが、結局、看護系の大学に進学し、看護師・保健師・助産師の免許を取得しました。私は卒業後、東京の病院で勤めました。新人の頃、NICUに配属になりました。低出生体重児や重症新生児を対象とする新生児集中治療室で、助産師として仕事をしていこうと考えていた私の抱いていたイメージとは全然違うものでした。まず、わからないことばかりで仕事をするのが怖かったというのが看護師になったばかりの私でした。自分には助産師という職業は向いていなんじゃないかと、来る日も来る日も辛い気持ちで仕事をしていました。モニターが鳴り響いている・・・嫌だなあと思いながら・・・。だから、赤ちゃんを可愛いと思える余裕はありませんでした。それでも、それは自分に知識や技術が足りないからだと、仲間に励まされながら必死で勉強していました。勉強のリズムもつかめ、仕事がわかるにつれて、気づいたら赤ちゃんをとても可愛いと思うようになっていました。3年間の経験、それは、私にとって滅多にできない経験であり、やり遂げたという実感があり、看護師・助産師としての自覚と自信を持つことができました。そして、次のステップに進みたいと思うようになりました
産前・産後、次々と新しい不安が訪れる患者さんにとって頼りになる存在になることが私の役割
その後、いずれ地元・磐田で仕事をしたいと考えていた私はこの病院に転職しました。今の私は、新人の頃の私と全く違い、いい意味で多少余裕もあるのか、赤ちゃんが誕生する喜びをお母さんと一緒に分かち合えるようになりました。出血や合併症など出産にはリスクが多く、お母さんになる患者さんにとって不安は一つではなく、あれこれといろいろと不安な気持ちが新たに生まれてきます。そんな時に頼りになる存在になることが私の役割だと認識しています。患者さんと信頼関係を作れるように接することを心掛けています。患者さんのおなかにも声掛けします。誕生は喜びが満ち溢れていますが、産後はまた大変なことが続きます。赤ちゃんの夜泣き、授乳など、初めてのことばかりで不安は増すばかりです。すべての不安を拭うことはできないですが、不安を軽減するために上手に支えていきたいと思っています。退院後の生活が困らないように、些細な質問にも丁寧に答える、ちょっとした悩みも真剣に聴くようにしています。そして、ご家族に対してはどういう支援が必要かを説明して、お母さんと赤ちゃんを十分に気を配っていただくようにご指導させていただいています。入院期間は6日から8日と短いおつきあいですが、リスクの高い人については、外来で来られている時から把握するようにして、入院中のリスクを軽減するようにしています。やりがいがある仕事で、とても充実しています。


患者さんと喜びを分かち合える大好きな仕事を継続でき、家族や仲間の支えに感謝する日々

私は、今、子育て中です。変則二交代で働いています。なかなか大変ですが、家族の支えがあってやれているのだなと思います。仕事を辞めて専業主婦になるのは物理的には今よりも楽になるのかもしれませんが、精神的には逆にきついかもしれないなと思っています。難しいことはわかりませんが、働き続けたいという気持ちがあります。患者さんと悩みを分かち合い、喜びを分かち合える、こんな経験ができるこの仕事を辞めたいと思うことが難しいです。だから、もっと勉強したい、もっと勉強すべきだと思います。3人目の子どもが生まれてから、部分休業を取り、普段は16時終業となりました。私の事情を理解してくれている職場の人たちが、私が早く帰れるように配慮してくれて、また、声をかけてくれるので、こうして継続して仕事ができることに感謝しています。労働環境がどんどん良くなってきていると思います。だからこそ、私も、子育てが一段落したら、子育て中の人たちの力になりたいと思います。